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繋がる想い、紡ぐ言葉/刀剣乱舞

第1章 君の中に墜ちる


 そしていつも彼の左腕に巻き付いている龍がその身から離れ、具現化していた。


「手入れ部屋に行くんだろう、さっさと行け」

「だけど…ッ」


 今回に限っては不動もこの場を離れることを躊躇しているようだった。何せ敵の数が多いし大倶利伽羅も中傷を負っている…


「何度も言わせるな。俺一人で十分だ」

「おおく、……」


 その名を呼ぼうとした時、大倶利伽羅は私に視線を向けた。


「ッ…」


 大倶利伽羅の瞳に…燃えるような闘志と強い覚悟を感じられる。

 何があっても譲れない、そんな揺るぎない意思を感じさせる強い眼差しを見てしまっては、私は何も言うことが出来なかった…


 言ってはいけない、と…そう思った。


 不動は唇を噛み締め、私の手を強く引っ張って大倶利伽羅を残して走り出す。今度は私も何も言わずにその引かれる手に従った。


 頬に勝手に流れた涙が伝う…


 
「うっ……ぅ……っ……」


 次から次へと込み上げてくる悲しみが涙を止まらなくさせ、視界が滲んで前が見えない。

 止めどなく流れる涙を何度も手の甲で拭いながら、不動の力強く引っ張る手を頼りに、声を押し殺しながら手入れ部屋に向かって全力で走った。



 きっとまた会えるよね…――



 後ろは振り返らなかった。

 だけど心の中では何度も何度も彼の名前を叫んでいた…


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