第1章 君の中に墜ちる
「えー?あんずさん唐揚げ貰っただけで嬉しくて泣いちゃったの!?じゃあボクもっ」
「僕だってとってあげられますっ」
「こんなに食べられないよ…」
普段の何気ない会話や日常がこんなにも幸せに感じる。
「あんず様!仕事が終わったらまた僕たちと遊んでもらえますか?」
仕事が終わったら遊んでもらえますか…
私の事を信じて疑わない曇りのない綺麗な空色の瞳に胸を締め付けられる。
もしこのまま何もせずにいたら間違いなく私は死ぬ。
そうなったら、もう2度とこの子達の笑顔は見れないし、缶蹴りや隠れ鬼も一緒に出来ないんだ。
「あんず様?どうかしましたか?」
「あ、何でもないよっごめんね」
「僕も内番や出陣頑張ります。だからあんず様も頑張って下さいね!」
「うん…頑張って終わらせる、ね」
「はい!約束ですよ?」
約二ヶ月後、私が何も言わずに皆を置いていったら、秋田は…皆は私を恨むだろうか。
私が居なくなった後は他の審神者が後を継ぐのだろうか。それとも、この本丸自体が解体され皆バラバラに他本丸に連れていかれる、なんてことになったりするのだろうか。
やっと兄弟に会えたって喜んでいる刀剣達…それがまた引き裂かれることになるのだけは避けたい…