第1章 君の中に墜ちる
それでも短刀達は度々心配して様子を見に来ては、遠征で摘んできてくれたお花のお土産をくれた。執務室の机の上に飾られたそれを見て度々胸が痛くなる。
流石に籠りっぱなしは怪しまれるので、夕餉のときだけは出来るだけ皆と食べるように心掛けた。
このままではいけない、そう思うけどなかなか決断を下せない。
「あんず様、お仕事は順調ですか?」
「うん、まだかかりそうだけど何とか…」
心配そうにする秋田に精一杯の笑顔を作り頑張るね、と言うと、秋田は目尻を下げ安心したように笑った。そしてテーブルの中央に置いてあるおかわり用の唐揚げを一つ取り私のお皿に乗せる。
「一杯食べて力付けましょう!あんず様のお仕事が無事終わりますように」
「秋田…」
「あんず様!?え!どうしました!?」
空色の瞳が焦ったように揺れ動き、頬に伝わる感触に初めて自分が涙を流していることに気が付いた。
「え、あ…」
「あー!秋田があんずさん泣かしてるー」
「え、僕は何もっ」
「違うの乱、秋田の優しさが凄く嬉しくて…びっくりさせちゃってごめんねっ、唐揚げありがとう」
頬に伝う涙を拭い不思議そうにしている秋田を抱き締めると、回りに集まってきた短刀達も私のお皿におかずを足す。