第1章 君の中に墜ちる
キィイーン!!
次の瞬間、目にもとまらぬ早さで宙を舞い襲いかかってきた脇差の刀を咄嗟に不動が受け止め、私を守るように前に立った。
私が結界を塞いでいる間にかなり無理をして戦っていた不動の体は、無数の切創がある。
それでも…目の前にいる脇差よりも不動の方が圧倒的に力は上だった。脇差だけだったなら全然問題はなかった。
…だけど追手が多すぎた。
ビシィッとまた一つ、不動の身に付けている刀装が破壊される鈍い音が耳に響く。
素早い身のこなしで敵を次々と倒していた不動だったけど…私を庇うようにして戦う不利な状況下では、敵の戦力に少しずつ押されていった。
そして──
気付けば周りをグルリと敵に囲まれていた。
「はぁ……はぁっ……主…俺から絶対に離れないでくれ」
四方を囲む遡行軍がジリジリと距離を詰め、私達を囲む輪が小さくなっていく。
今度こそ…もう駄目かもしれない…
こう囲まれてしまっては逃げるすべがない…
「…ごめんね……不動…私が足手まといなばっかりに……」
所々から怒声や金属がぶつかり合う音、物が壊れる音が鳴り響き、時折男士達の叫び声が聞こえる中、迫りくる死の気配に絶望して希望を失いかけた時──…