第1章 君の中に墜ちる
皆が皆傷だらけで所々に散らばって戦っていて、自分の目の前の敵に精一杯で仲間の援護なんて出来る状況ではなかった。
戦うことが出来ない自分が不甲斐なくて、悔しくて仕方がない。
そんな中、見慣れた人影が倒れているのを発見する。
「不動!誰か倒れてる…ッ!……っ、秋田?秋田なの!?」
「主っ……秋田だ!」
その小さい体は無残にも切り刻まれていてどこもかしこも血塗れだった。そんな姿を目の当たりにして、がたがたと震えて言葉をなくしている私に不動は「大丈夫だ主、意識がある…」と声を掛ける。
すると秋田の瞼がピクリと震え、ふっと開かれる。そしてうつろな瞳が私を捕らえた。
「……あんず様…ごめ、んなさい…兄さん、達と、はぐ、れ、て…僕…僕…っ」
切れ切れに零れる秋田の言葉に私は強く首を振る。
「謝らなくていいっ、頑張って戦ってくれたんだね秋田ッ…もう大丈夫だから一緒に手入れ部屋に行こうね…ッ」
「あんずさ、ま…」
微かに笑った後気を失ってしまった秋田を連れて行くために、一時的に顕現を解いて刀だけになった秋田をしっかりと胸に抱いた。
「主っ!」
どれくらい走っただろう、不動の切羽詰まった声に後ろを振り向くと、遡行軍がすぐ後ろまで迫っているのが見えゾクリと悪寒が走った。