第1章 君の中に墜ちる
裂け目付近は乱戦になっていた。太郎太刀と蛍丸が目の前の敵をなぎ倒し、後方では御手杵や鶴丸、三日月達が激しい火花を散らしながら壮絶な鍔迫り合いを繰り広げている。
戦装束もその手に握られている刀もおびただしい程の血がこびりついていて、見るからに激しい戦闘を物語っていた。
そして私の姿を見た刀剣達が戦闘中にも関わらず焦り声を上げる。
「なっ!あんず!?何しにきたの!安全な所に避難しろよッ!!」
「ここは危ない!」
「主が死んじまったら元も子もないんだぞ!」
「皆ごめんっ…!結界を塞ぎに来たの!お願いッ!なんとか持ちこたえて!!」
私の言葉に困惑した様子を見せるも、状況を直ぐに察した刀剣達は力強く返事をし、勇ましく敵に斬りかかる。
「主!ここだ!俺達が敵を引きつけるからその間に結界を頼む!」
不動の言葉に大きく頷き、修復中無防備になる自らの体の周りにも、ささやかではあるが新たな結界を張った。
そうこうしている間にも、私を亡き者にしようと敵が私の周りに集結する。
「主を守れ!」
「ここは通さんぞ!!」
「なんとしてでも死守しろ!」
大倶利伽羅のネックレスをギュッと握りしめ祈りを込めたあと、スーッと深呼吸をし呼吸を整え、結界に意識を集中する。