第1章 君の中に墜ちる
「っ……!お、おおくりから……、やだ、やだよ…」
「主っ!!お願いだから分かってくれ!」
大太刀との睨み合いが続く中、大倶利伽羅を止めようとする私の体を必死に抑えながら不動が叫ぶ。
その顔は懸命に何かを堪えているかのようで悲痛に歪んでいた。
そうだ…
不動だって大倶利伽羅と同じ第一部隊だ。不利な状況だって事は痛いほどわかっているはず。そんな状況でずっと共に戦ってきた仲間を置いていくのは身を切られる思いに決まっている。
これ以上ここに踏みとどまるわけにはいかない。かえって邪魔になる。今の私は完全なお荷物状態なのだから…
「大倶利伽羅!必ず、必ず生きて帰ってきてッ!折れたら許さない、から…!」
「ふん、言われなくとも俺の死に場所はここではない」
泣きながら叫ぶと、こちらを振り向いた大倶利伽羅はそう言って自身の身に付けているカーンのネックレスを外し、徐に私に投げた。
キラキラと光るネックレスが宙を舞う。綺麗な放物線を描いて向かってくるそれが、広げた私の手の中に吸い込まれるように落ちた。しっかりと両手で握り締めると「持っていろ」と言い残し大倶利伽羅は大太刀に突っ込んでいった。
手の中にある大倶利伽羅のネックレス、まだほのかに彼の温もりが感じられる。なぜ私に預けてくれたのか意図はわからないけど、大倶利伽羅が守ってくれるような、お守り代わりのような気がした。