第1章 君の中に墜ちる
「ぐあああああ!」
時が止まったように思えた中、突然大太刀の切り裂くような叫び声が耳をつく。
それと同時に聞こえる声…―
「何をしているッ!」
「っ、お、くりから…っ」
振り返るとそこには大倶利伽羅がいた。大倶利伽羅が大太刀に一撃喰らわしたらしく、大太刀の肩口からはシュウシュウと煙のような蒸気が出ている。
不動はその一瞬の隙をついて少しでもその場を離れようと、私を抱きかかえた。
大太刀2体は突如現れた尋常ではない殺気を放っている大倶利伽羅に怯み、動きが止まっていたがでもそれは一瞬で、咆哮しながら今度は大倶利伽羅に狙いを定める。
大倶利伽羅から放たれる殺気が凄まじく、ピリピリと肌を刺すかのように感じられる。
「不動!ここは俺に任せてこいつを連れて行け!」
「恩に着るッ」
「大倶利伽羅っ」
「主!大倶利伽羅なら大丈夫だ!この本丸で最高ランクの練度を誇っているんだから!」
「でもっ大太刀が2体もッ!いくら大倶利伽羅でもっ!お願い不動!私は一人でなんとか結界まで辿り着いてみせるから不動は大倶利伽羅の援護をっ」
「なっ!!主一人でなんて無茶だ!」
「お願い不動、大倶利伽羅を、」
「俺はもう二度と主を失うわけにはいかないんだ!」