第1章 君の中に墜ちる
――それでも敵の数が圧倒的だった。
「不動!敵の数が多すぎる!結界を塞がないと拉致があかない!」
「だけど主、破られた結界付近は敵が多すぎる!あそこに行くのはあまりにも危険だっ」
「多くても塞がないと次々に敵が来る!!きりがないの!不動お願い!私を連れていって!私にしか出来ない事なの!」
このままではダメだ。
遡行軍が破った結界を修復しなければいくら最強の部隊が迎え撃つといっても限度がある。次々と降り立つ敵に数で押されるのは目に見えているに違いないのだから。
第3・4部隊はすぐにでも帰還するだろうし、こんのすけは政府にも救援を要請しているはず。
でも救援なんていつ辿り着くかわからないし来ないかもしれない。自分達で何とかしなければいけない。
「お願いっ!不動…ッ!!」
私の必死のお願いに不動は顔を歪めギリッと奥歯を噛みしめる。
不動の返事を待たずに、どれほど有効なのかはわからないけど、自身の霊力の気配をある程度消すことの出来る結界を急いで張り、そこへ向かう準備を整えた。
「っ、分かった…だけど危なくなったら主の命を最優先するからなっ」
不動はそう言い、結界が破れた方へと私を誘導する。
緊迫する中、身を低くし息を潜めながら、そろそろと結界の方へと足を進めた。