第1章 君の中に墜ちる
片付けた後戻ってきてくれるんだ…と少し安堵しながら彼の背中を見送りつつ両膝に手を置き、上体を屈ませながら呼吸を整えるのに専念した。程なくして大倶利伽羅が戻ってくる足音がする。
「それで?」
戻ってきた大倶利伽羅は怪訝な顔付きで私に問いかけた。
「あ、あの…前に、大倶利伽羅の神気が私に適合するかまだわからない時、毎晩うなされていたんですけど…その時いつも誰かが私の手を握ってくれて、大丈夫だって言ってくれる夢を見ていたんです。ずっと夢だと思っていたあの出来事は、もしかして夢ではなくて現実だったんじゃないかって。それをどうしても聞きたくて、確かめたくて…」
「…」
「あの手は、大倶利伽羅だったの…?」
大倶利伽羅は何も言わない。もし違うのなら否定するはず。無言は肯定だと、そう確信した。
「やっぱり…ずっと傍にいてくれてた」
「……話はそれだけか」
「あ、あの…っ」
勿論それだけではない。ちゃんと自分の気持ちを伝えようとここに来た。ずっとどうすればいいか分からず勇気を出せずにいたけど今日こそは大倶利伽羅に伝えるんだ、そう思い覚悟を決め口を開く。
「私…大倶利伽羅が好き、です…」