第1章 君の中に墜ちる
お見合いの場所は、政府管轄のお店で静かで落ち着いた雰囲気の所だった。
案内された個室の戸を開くと、こんにちは、と声が聞こえ視線を向ければ、人好きのする笑みを浮かべている男性が座っている。
こんにちは、と返しながら会釈をして席に着き、簡単な挨拶を済ませた後は審神者同士顔見知りということもあって、早々に二人っきりにさせられた。
向かいにはお見合い相手が座っている。
相手の審神者、岡田さんは相変わらず話しやすくてやっぱり好印象な方だった。
「あんずさん、今日は楽しかったよ、来てくれてありがとう」
「こちらこそ有り難うございました。結局ご馳走になってしまって…」
「いやいや、それくらいどうってことないよ。それより良かったらまた会ってもらえるかな?」
「私で、良ければ…」
そう言うと心底ホッとしたように「良かった~」と言い、屈託のない笑みを浮かべる岡田さん。
その笑顔につられて私も思わず口元をほころばせた。
その日は食事だけ楽しんで、連絡先の交換と次の約束をして岡田さんとは別れた。
それから何度かデートを繰り返し、4度目の帰り道でキスされた。
嫌ではない…
でも、何かが違う、そんな気持ちだった。