第1章 君の中に墜ちる
…
…
それから、あんなに不調が続いていたことが嘘のように体の調子が良くなった。
「あんず様!成功です!成功したんですよっ」
「ほん、とうに…?」
「はい、はい…今あんず様の霊力は以前と比べ、驚くほどに安定しております!お体の具合も快調ではありませんか?」
「そう、だけど…本当に?…そっか…よ、良かった…良かったあ…」
大倶利伽羅の神気が、私の霊力に適合した。
最初に思ったことはこれで大倶利伽羅が苦しむことはなくなった、という事だった。
早くこのことを大倶利伽羅に伝えなければ、そう思い執務室を飛び出すと目の前に大倶利伽羅がいてドンッとぶつかった。
そうだ、こんなに慌てなくてもいつも彼は私の側に居てくれたじゃないか。
大倶利伽羅は私がぶつかってもよろけることもなく私を受け止める。
早く伝えたくて、彼の顔を見上げて適合したの、と言うと、心底安心したような顔をしてからぎゅうっと私を抱き締めた。
「お、大倶利伽羅?」
抱き締められたことに驚いて彼の名を呼ぶと、ハッとしたように私の両肩を掴んで勢いよく引き離し、顔を伏せながらすまないと言いそのまま足早に立ち去っていった。
何故だか胸がギュッと掴まれたように切なくなり、その後ろ姿を見えなくなるまで見送った。