第1章 君の中に墜ちる
「あんたと俺の神気が適合するかどうか分かるまでは見届けさせて貰う。心配は無用だ、多少寝なくとも俺は刀だ。人とは違う」
「刀でも、今は人の身ですっ」
もし、もし…
適合しなかったら大倶利伽羅はどう思うのだろうか
自分を責めてしまわないだろうか
私はとんでもない事を大倶利伽羅にお願いしてしまったのでは…?
――契りを交わした後、苦しくて耐えられない審神者は記憶を無くす薬をこっそり男士に飲ませる。
あの時は卑怯だ、と不快感しかなかったけど…
…ああ、薬を飲ませる審神者さんの気持ちが今なら痛いくらいに分かる。
薬は飲まないって言った大倶利伽羅には悪いけど、万が一適合しなかった場合は…あなたの飲み物に内緒で薬を仕込んでもいいですか…だって、大倶利伽羅が苦しむのだけは耐えられない…
こんなことなら、最初から潔く引退すれば良かった…
大倶利伽羅に…心優しい純粋な彼にまで私の荷を負わせてしまった。決断を迫られていた時は周りが見えていなくて、自分のことばっかりで…考えたらわかることなのに今になって気付くなんて。
どうか、適合しますように…
今の私にはそうやって祈ることしか出来なかった。