第1章 君の中に墜ちる
だけど燭台切が言っていた言葉の意味が分かるのはその数日後、私が深夜に目が覚めた時だった。
喉が渇いて水を飲もうと私室を出ようとしたとき、障子の向こうで人影が動いた。
その人影は紛れもなく大倶利伽羅だった。
「どうしてここ、に?何をしてるんですか…?」
「別に、見回りをしていただけだ」
見回りなら私の私室の前で腰掛けているのはおかしい、そう思った。
そして数日前、燭台切が眠れていないの?って大倶利伽羅に問いかけていたのを思い出す。
「もしかして…昼だけではなく夜の間もずっと傍に居てくれていたんですか?」
「違う」
「だって…」
熱が出ているのを知っていて心配してくれているのだろうか。私の体の事を知っているのは、こんのすけと当事者の大倶利伽羅だけだ。
体を繋げたあの日以来、大倶利伽羅は出陣や内番以外では私の目の届くところに必ず居てくれていた。
まさかそれが夜までとは思いもしなくて…
「あのっ、心配かけてしまってごめんなさい…私なら大丈夫ですから大倶利伽羅は部屋に戻って…?」
「大丈夫そうには見えんな」
「…でも、ちゃんと寝ないと大倶利伽羅の方が倒れてしまいます」