第1章 君の中に墜ちる
こんのすけが言うには、私の霊力と大倶利伽羅の神気が混じり合うことに体が少なからず拒否反応を起こしているとのことで、それを乗り越えて体が神気に馴染めば適合、馴染まなければ失敗という結果になるんだそうだ。
これは霊力が枯渇しているからこそ起こる現象。
そもそも枯渇なんてしていなければ、自分の体は自分の霊力で満たされているので、神気が入ったところでその神気が霊力に吸収されるだけ、即ち何も起こらない。
拒否反応が起こっている間は何度も悪夢を見て夜中にうなされた。深い闇に引きずられるような、落ちていくような、そんなような怖い夢。でもその夢を見る度に同じ現象が起こる。
うなされている私の手を、温かい大きな手が包み込むように覆って「大丈夫だ」と声をかけてくれるのだ。包み込まれた手からじんわり熱が広がって、暗闇の中でありながらとても安心して、その後は決まって深い眠りに落ちていく。
そして不思議とその夢の声は大倶利伽羅に似ているような気がした。
「伽羅ちゃん、眠れていないのかい?」
「別に…」
「そお?しっかり体休めないと後が大変だよ?」
「…問題ない」
また執務室の側の縁側に大倶利伽羅がいるようで、そんな会話が聞こえた。