第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
【#5 答え合わせ】
「あんず…」
「どうしました?蜂須賀さん」
「最近…その、鶴丸と会っていないようだが…」
ある日の昼下がり、執務を手伝ってくれていた蜂須賀さんが、珍しく口をもごもごさせ言いづらそうに私に尋ねてきた。
あれだけ鶴丸さんと一緒に居たのに、あの日を境に全く一緒にいることがなくなった。それどころか話すことさえもなくなった。おかしいな、と思うのは当たり前だ。
それなのに…皆きっと気を遣ってくれているのだろう、これまでに一度でも聞かれていてもおかしくはないはずなのに、その話題を出されたのは今日が初めてだ。
「……はい…もう…………その、、終わったんです」
「終わった…?それはどういう…」
「鶴ちゃんに…見限られちゃいました」
私が笑ってそう言うと、蜂須賀さんは何かを考えるような素振りを見せた後一瞬固まり、目を見開いた。
「あんず!まさか記憶が戻ったのか!?」
「…流石…蜂須賀さん。……はい、戻ったんです…今までの事…全て思い出しました」