第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
「…っ!…ご、ごめ」
「和泉守には心を許すくせに…どうして俺にはいつまで経っても他人行儀なんだ…!」
鶴丸さんの手が私の眼鏡を奪い、それを部屋の隅に放り投げた。そして身体を遠慮なくまさぐる。
力任せに前を開かれボタンが飛び、露になった胸元に鶴丸さんの顔が埋まる。獣のような荒い息が直に胸に降りかかり、乱暴に伸びてきた手がショーツに触れた。
「い、いやっ!いやあ!!!鶴丸さんっ!やだっ!お願いっ!!」
抑えられている足をバタつかせながら抵抗し叫ぶと、ついに鶴丸さんの動きがピタリと止まった。
「泣き叫ぶほど嫌か…今も…過去のきみも…それほどまでに…俺のことが…――きみは…きみは記憶をなくしたいと願うほど、そんなに、……そんなに俺が嫌だったんだな…俺は…おれ、は………どう、して……うっ…」
鶴丸さんが声を詰まらせた時、私の頬にポトリと生暖かい何かが落ちたのを感じた。
ハッとして背けていた顔を上げると……それは…―紛れもなく鶴丸さんの涙だった。
鶴丸さんが泣いている…?