第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
こんのすけは、少し難しい表情をして暫く考え込んでいたが、わかりました、と意を決したように私の前に座る。
私も覚悟を決め少し緊張しながらも姿勢を正した。
「あの日、あんず様はかなりの高熱が出ました。そのせいで記憶障害が起こっている、とこの前お伝えしたと思います。はっきりとした原因は未だ調査中なので不明ですが、今の所あることに関する記憶がごっそりなくなっていることだけは分かりました…」
「それは…もしや、鶴丸さんに関することですか?」
「…っ、それは……」
「お願いします…隠さずに教えて下さい!」
「っ…――あんず様の仰るとおりでございます…」
「!!やっぱり……あの、鶴丸さんと私は何があったのですか?どんなことでもちゃんと受け止めますから教えて下さい!もう隠されるのは嫌なんですっ」
「――実は…鶴丸様も含め皆と話し合った結果、このことは言わないつもりだったんです…これを知ったら更にあんず様が思い詰めて苦しむことになるのではないかと思ったからです。ですが……あんず様が知りたいというのなら、知る権利がある…と私は思います。…あんず様、鶴丸様とあんず様は……恋仲でございました」