第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
それに…鶴丸さんの私への接し方が主のそれとは明らかに違う気がする…
鶴丸さんの言葉と態度全てが妙に引っかかる。
「あの…いつも入っていた、って…どういうことですか…?」
「っ、いや…何でもないんだ……大したことじゃないから忘れてくれ…それに、もうここには来ないから安心してくれて構わない」
「鶴丸さん…?」
大したことじゃないならどうしてそんな悲しい顔をするの?
…―それに…何故かわからないけど鶴丸さんを見ると胸がギュッと掴まれたようになって、胸の奥がざわざわする。でもそれがなんなのか、どうしてなのかが私にはわからない。
何故か唐突に葉月さんの笑った顔が頭に浮かんだ。
――私は…このまま時間に身を任せて、本当にそれでいいの…?
…少しでも、例え一歩だけだとしても前に踏み出したら何かが違ってくるんじゃないのかな…?
いても経ってもいられなくなった私は忘れてしまっている記憶について思い切ってこんのすけに聞いてみることにした。
その夜、寝る前の時間に私はこんのすけを私室に呼び出し、真実を知りたいと伝えた。