第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
前のこともあり、なんだか気まずく、何を話せば良いのか思いつかず黙っていると、葉月さんは今にも泣き出しそうな悲痛な表情をした。
そしてポツリと呟いた。
「あんずちゃん…ごめんなさい」
「え」
「今更謝っても許してもらえないのはわかってる……でもどうしても伝えたくて…お願い、少しでいいから話しを聞いて下さい…!」
「葉月さん…」
葉月さんのあまりにも必死な様子に、掴まれている手を振り払うことなんて私には出来なかった。
「あの時は私…精神的にどうかしてておかしかった…一人で仕事抱えて、家と職場の往復しかなくて出口のない暗いトンネルにずっと取り残されてるようで………
裏切っておいて今更言い訳がましいのはわかってる。どれだけ酷いことをしたのかも理解してる。でも、あの日からずっとあんずちゃんのことが頭から離れなくて…悔やんでも悔やみきれなくて………
本当に何てことをしてしまったんだろうって、何度も謝まりに行こうと思ったの。だけどとてもじゃないけど顔向けできないし…何より怖くて行けなかった……今更って思われても仕方ない!でも、本当に、本当にごめんなさい……」