第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
こんのすけが何度も体の具合を聞いてくるのも不自然だ。今までは例え具合が悪いことがあったとしても、ここまで聞いて来ることはなかったのに。
「……ねえ、こんのすけ。ちょっと聞いてもいいかな…」
「どうされました?」
「私……高熱が出たんですよね?――正直熱が出ていたこともよく覚えていないのでうまく言えないのですけど…とても大切な何かを忘れているような?変な感じがするんです。鶴丸さんもなんだかぎこち無いし、皆の様子もまるで腫れ物に触るような、そんな感じで…こんのすけ…私に何か隠し事してませんか?もし何か知ってるなら教えてほしいです…お願いします」
今感じているそのままの気持ちをこんのすけに伝えてみた。皆のあの様子からしたら、もしかしたら教えてもらえないかも知れない…そう思ったけど聞かずにはいられなかった。
「…そうですよね…自分の身に何が起こっているのかわからないのは不安ですよね…わかりました、私が知る限りのことを教えます。…今あんず様は記憶障害になっているようです…ですがどこまで覚えているのか、何を忘れてしまっているのかまでは定かではありません。原因は高熱という線が高いですが、今はまだ調査中です」