第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
「なあ、一体どういう意味だ」
意味がわからなくて聞き返すと、蜂須賀は急にハッとし掴んでいた胸ぐらを離して押し黙った。
「……とにかく、自分の胸に聞いてみろ」
蜂須賀は暫く唇を引き結んでいたが、今度はバツが悪そうに視線を逸しながらポツリと呟きその場を去っていく。
「蜂須賀!」
あの態度からして蜂須賀が俺に言ってはいけない何かがあるのかはわからない。真相を突き止めようと呼び止めてみたが、蜂須賀は振り返ることなく行ってしまった。
なんなんだ。
自分の胸に…?それは俺に原因があると言われているのと同じことだ。
だか考えても全く思い当たる節がない。あんずがいながら…その後に続く言葉も思い浮かばない。一体なんだって言うんだ。
俺は少しムシャクシャしながらも、今はただこんのすけからの結果を待つしかなかった。
◆◇◆
あの日、熱が出て目覚めてからなんだか鶴丸さんの様子がおかしい。彼の様子がぎこちないから、何かあったのかと過去の記憶を辿ってみるものの、何もわからなかった。
「あんず様、その後、身体の調子は如何ですか?」