第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
他の刀剣と――?
そんなバカな!冗談だろ!!
冗談だと言ってくれ!!
そう思った時には無意識に襖を開けていた。こんのすけとあんずの驚きと戸惑いの入り混じったような表情が視界に飛び込んでくる。まさか俺が聞いていたとは思わなかったんだろう。
だが、そんなことは気にしていられない。俺は迷わずこんのすけに近寄り、その体を掴み上げた。
「こんのすけっ今の話は本当なのか…ッ!」
俺の行動にあんずが咄嗟に声を上げる。
「鶴ちゃんっ」
「つ、鶴丸様…どこから聞いていたのかは存じ上げませんが、今の話は全て…、残念ですが、真実でございます……」
「……っ」
なんてこった……
想像もしていなかった事実に頭が真っ白になると同時に身体の力が抜け、こんのすけを掴み上げていた指にも力が入らなくなる。
それからはあまり覚えていない。
きみを何とかしてあげたくて…きみが大切で…思わずこの腕の中に抱き締めたのは覚えている。
きみの温もりがずっと掌に残っていたから。
俺は、きみを失いたくなかった――