第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
二人の会話が理解不能だ。
私が寝ている間に何かあったのだろうか。
熱が出ていたと言われたけど、熱が出たという記憶がないのはどういうことなのかさっぱりわからない。記憶が薄れるほど高熱を出していたってこと…?
思い出そうとするけど、頭に白く靄がかかったようでどうしても思い出せない。
訳が分からなくて記憶を辿りながら布団の一点を見つめていると、鶴丸さんがこんのすけに耳打ちして二人は私の部屋から出ていった。
◆◇◆
自身が置かれている状況に眩暈がしそうだ。
あんずの霊力が枯渇している?
そのせいで審神者を続けられない…?
夕餉の後、思い詰めた表情のあんずに話があると言われた。胸騒ぎがして、何があったのか気になって約束の時間より大分早くに来てみれば…
襖1枚隔てた向こうから聞こえてきたのは、こんのすけとあんずの声。襖一枚向こうだというのにピリピリと張り詰めたような雰囲気が伝わってくる。一体何があったんだ?そう思い聞き耳を立ててみれば、それは耳を疑うような会話だった。
俺は思わず身を潜め話に聞き入った。あんずが俺を呼び出したのも、この話をするためだったのか?