第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
「ななな何って、つつ鶴丸さんこそっ何を!!」
「もしかして……覚えていないのか……」
「は……?」
私に突き飛ばされて床に尻もちをついた鶴丸さんは、体勢を整えることもせずそのままの恰好で、眉を寄せながら私に問いかけた。
普段なら私が驚かされて度肝を抜かれているのに、今日は立場が逆転している。鶴丸さんが心底驚いている。現に目を見開き口が半開きのままだ。…いったい何が起こっているの?そんなに驚く事??
それに、覚えていないって……?
何を……?
「あの件、いや…ここ数日だけじゃなく俺との事も全て覚えていないのか」
「ここ数日…?それに鶴丸さんとのこと…って?何…?」
鶴丸さんは驚きが大好きで、顕現した当初から私は驚かされてばかりで。今まで彼とどんな事があったかなんて、いとも簡単に思い出せるのに何がおかしいんだろう、と困惑していると、ポンッという音と共にこんのすけが現れた。
「お目覚めになられたのですね…あんず様……あぁ……霊力が漲ってます……ッ本当に良かった……!!」
「漲っている…?――ということはこんのすけ!成功なのか!?」
「はい、本当に、本当に良かったです!」
「え…成功???成功って…?はい?……私には何がなんだか…」