第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
「あのっ、私ならもう熱?も下がったみたいだし何ともありませんから、鶴丸さんは部屋に戻って下さい。ご迷惑をお掛けしたみたいで、本当にすみませんでした……」
深々と頭を下げると、鶴丸さんは怪訝な顔をしながら私の顔を覗き込んできた。そして私のおでこと自身のおでこをくっつける鶴丸さん。
「ん…そうだな、きみの言う通り熱は下がったみたいだ」
「ひ…ッ!」
「どうかしたか?」
鶴丸さんの端正な顔立ちが目と鼻の先にあり、ビキリとまるで音を立てるかのように体が硬直する。目を見開いたまま何も言えずにいる私に、鶴丸さんはその綺麗な大きい瞳を不思議そうにパチクリとさせた。
「なあ……さっきから鶴丸さんって言っているが、きみこそかしこまってどうしたんだ?いつも俺を呼ぶときは鶴ちゃんと呼んでいただろ?」
ゼロ距離で見つめられながらそんなことを言われて、大混乱に陥ってしまった私は慌てて鶴丸さんを突き飛ばした。
「いやぁっ……!!!!な、何を分けのわからないことを!!……っゆゆゆ夢でも見たんじゃないんですか!?と、とにかくっ着替えるので一旦部屋から出ていってもらえると助かります…!」
「……あんず、、、何を言っているんだ?」