第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
あまりの剣幕に何がなんだか分からず、どもりながら答えると、鶴丸さんは私をその胸に引き寄せ力強く抱き締めた。
「……っ!!」
「あんず!良かった…!きみがこのまま目を覚まさないんじゃないかと心配で仕方なかったんだ!本当に良かった…!」
「な、なっ……!!」
あまりの近さに驚き、そしていつもと特に変わりなく寝ていただけなのに目を覚まさないんじゃないかって訳のわからないことを言われ、頭が途端にパニックになる。
「ななな、朝から何言ってるんですか!!」
思わず鶴丸さんの胸を押し返しながら捲し立てると、鶴丸さんは目を白黒させて私を見た。
「あんず、どうしたんだ?様子が…」
「どっ!どうしたも何も、鶴丸さんこそ何で私の部屋で寝ているんですか!」
「どうしてって……あ…そうか記憶が………き、きみが熱を出して辛そうだったから傍についていたんだが……」
「熱……?」
「具合は、なんともないか……今こんのすけを呼ぶから待っててくれ」