第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
「適合したかどうかはいつわかるんだ」
「恐らく、熱が下がればわかるかと…」
鶴丸は無言で頷き、あんずの傍へと腰掛けた。そして眠っているあんずの額にそっと触れる。その額はいつもとは違い酷く熱を持っていた。
あんずが気の毒で仕方がなかった。そして自分の無力さを思い知った。
「あんず…」
――どうか適合してくれ。鶴丸はそう願うしかなかった。
◆◇◆
――目が覚めると、見慣れた竿縁天井が視界一杯に広がっていた。
「…あれ…?」
ぼんやりする頭でもう朝だっけ?と考える。やけに体が熱いのと腰辺りに微かな重みが感じられるけど、頭に靄がかかっているようで何も思い出せなかった。
目をこすりながらゆっくりと上体を起き上がらせると、何故か鶴丸さんが私のベッドに突っ伏して寝ている光景が。
「……鶴丸さん?」
どうしてここで寝ているのかさっぱりわからなくて、おずおずと名前を呼ぶと、ピクリと体が動いた。
「あんずっ目が覚めたのか!」
「え、は、はい……えっと…たった今目覚めたんですけど何か…?」