第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
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「鶴丸様、あんず様はまだ目を覚ましませんか…」
「死んだように眠っている……こんのすけ、ことは……無事に済んだんだよな…あんずは大丈夫なんだろうな?まさかこのまま目を覚まさないってことは」
「それは大丈夫です……必ず目覚めますから安心して下さい。――こんなことになってしまって鶴丸様もさぞやお辛いかとは思いますが、どうか気を確かに持って……今まで通りあんず様を支えて下さいますようお願いします……」
「……言われなくてもそのつもりに決まっているだろう。あんずには……本当に辛いことを背負わせてしまった」
酷く辛そうにしながら言葉を零す鶴丸を見て、こんのすけはあんずが眠っている横のテーブルに視線を向ける。そこには昨晩置いておいた薬がなく、コップの水も空になっていた。それを見てこんのすけはホッとした表情を浮かべる。
「あんず様はもう薬を服用されたようなので、目覚めた時には辛いことも忘れているはずです…相手の刀剣も既に服用されておられますから、鶴丸様も……後は適合さえすれば全て元通りです」