第1章 君の中に墜ちる
気を悪くしたのでは?と少し不安になっていると、突然唇に柔らかな温もりが触れ反射的に体が強ばった。
「…ッ!」
ほんの一瞬の触れ合い。
それは間違いなくキスだった…
驚きの余り硬直してしまっていると「目を閉じろ」という声が聞こえた直後、考える暇もなく唇に感じる熱。
訳がわからぬまま大倶利伽羅の吐息がすぐ側から聞こえてきて、差し出された舌が強引に私の閉じた唇を割り開く。
大倶利伽羅の舌がぬるりと口の中を動き回る間、目を閉じることも忘れて至近距離に映る大倶利伽羅から目が離せない。
何度も角度を変えながら貪るように口付ける大倶利伽羅の長い睫毛が揺れ動き、伏せられていた瞼がうっすらと開いてそこから綺麗な金の瞳が覗いた。
「っ、」
「目を閉じろと言ったはずだ……」
熱っぽい吐息に混じって告げられた言葉。そして再度近付いてくる大倶利伽羅の端正な顔。思わずギュッと強く目を瞑ると、ちゅ、ちゅ、と何度か啄むように唇を寄せられた。
そして再び食いつくようなキスが唇を襲って、先程と同じように大倶利伽羅の舌に咥内を荒らされていく。
いつも他の刀剣と一定の距離を置いて慣れ合わない彼が、まさかこんな情熱的なキスをしてくるとは思ってもいなくて頭が混乱する。