第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
「さっきから何もしなかった場合、と言っているけど、こんのすけの言う何もしないとはなんなんですか?…もう手立てはないのでしょう?だって鶴ちゃんとは駄目だったの、だから…」
鶴ちゃんとのことを思うと胸が苦しくて涙が出そうになる。これ以上いらぬ心配をかけさせたくなくて辛うじて気持ちを保っていたのに、こみ上げてくるものに抗えず尻すぼみになってしまった。
鶴ちゃんの神気は、彼との相性が悪くて私に適合しなかった。私は最初から彼の恋人には相応しくなかったんだ…
お前が愛してやまないあの刀の相手は、最初からあの娘と決まっていたのだ。どんなに抗おうがお前ではない、とあざ笑うような悪魔の囁きが聞こえる。
何より、相性が悪くて適合しなかった、という事実は、自分自身が死ぬ、と言われたことよりも私の心に深く深く突き刺さった。
「あんず様……まだあんず様が審神者を続けられる手立てはあります…ただ……」
「ただ…?」
「あんず様にとって…とてもお辛いことになるかと思います…」
「辛いこと…?……ふふ…これ以上辛いことなんてあるのかな…」
思わず乾いた笑みを零してしまうと、こんのすけは辛そうにしながらも言葉を続けた。