第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
「どうして…どうして駄目なの…?私が顕現したのに……どうして不適合って結果になるの?どうして…」
「…―確かに、顕現したのはあんず様ですが、ここにいる刀剣男士は本霊から分けられた分霊です。顕現時にあんず様の霊力が加わりますが、本来持っている神気の質が変わる訳ではありません。…よって鶴丸国永の本霊の神気とあんず様の霊力の相性が悪かった、と言う見解になります…」
「相性…?なんで…?こんなに…こんなに好きなのに…っ」
「っ、決してあんず様が悪いわけではないのです。仕方がないことなのです…お辛いでしょうがご自分を責めないでください…あんず様…どうか…お願いします…」
胸が痛い。
胸がギューッと掴まれたように痛い。
加えて喉がヒリヒリとやけつくようだった。
人間あまりにショックな事を言われると、声も出せなくなるんだな…
ドラマみたいに「どうして私がこんな目に合わなきゃいけないのよっ!何でよぉっ!!」みたいな感じで、何ふり構わず取り乱しながら叫んだりしないものなんだ…
随分と長い間続く沈黙の中、長いと感じただけで実際は数分だったのかもしれないけれど…