第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
その様子に、自身の身に病気でも見つかったのだろうか、と考えが変わる。とにかくただ事ではないという雰囲気に、真っ先に脳裏に浮かんだのは――あの病気だった。
「もしかして……前に受けた健診で何か重い病気でも見つかった、とかですか……癌?とか……」
こんのすけは俯いたまま微かに首を横に振った。そして鼻を啜りながらポツリポツリと話し始める。
「病気ではありません。ですが深刻な状態です…」
「ち、違うの…?え…でも…病気じゃないのに深刻?って…ちょっと意味がわからない…」
「あんず様の霊力が……底をつきそうなのです」
「は……?霊、力…?」
病気じゃないと言われて多少の不安が解消されるものの、やっぱり刀剣達の身に何かあったのではないかと段々と煩く脈打つ心臓と共に不安に駆られていたら、想像とは違うほど遠い言葉に顔を顰めてしまう。
霊力、霊力が底をつきそう…?それは一体どういう…
初めて聞く言葉に頭が混乱してしまって、それがどういう意味なのか皆目見当もつかない。
「結論から申し上げますと、このままこの本丸で刀剣を率いたままの状態で霊力がなくなると、死に至ります」