第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
すると、私の後ろにいた和泉守さんがそれを聞いて「珍しくあんずが飲んでるって!?なら俺といっちょ勝負すっか」と横にドカッと座り込んできた。
「和泉守しゃん、いいですよぉ~受けて立ちましゅ」
「呂律が回ってないってば!もうやめときなって!」
「いいじゃらいれすかぁ、加州さん…たまには…私だって飲みたいときだってありゅんでしゅ…ほっといてくだしゃい」
確かに舌が上手く回っていないという自覚はあるけど、面白いくらいに意識ははっきりしている。だからもう少し飲むくらいどおってことない。
「嬢ちゃんが酒を?珍しいじゃねぇか!こんな機会そうそうないぜ。これは俺も混ざらねーとなあ!」
「ちょ、日本号まで何言っちゃってんの!あ!皆駄目だってっこらっ!あんずも一緒にならないのっ!」
「たまになんだからかたいこと言うなって」
日本号さんが慣れた手つきで私のグラスにお酒を注ぎ、自身の手に持っている猪口を愉快そうに傾け始める。
「あ~あ、もう始めちゃってるよ…」
「安定!お前も呑気なこと言ってないで止めろって」
私がお酒を飲んでいることを知ってわらわらと集まってくる刀剣達。