第3章 儚く切ない記憶の中で《後編》
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今日は無事に特別任務が終わって明日完全休日とのこともあり、広間では夕餉の延長で既にどんちゃん騒ぎが続いている。
宴でも私はお酒が弱いしお酒の味もあまり好きではないので、刀剣達と酌み交わすことはせず短刀の中に混じってジュースを飲んでいるのが常だ。
この日も蛍ちゃん達と一緒にコーラやオレンジジュースを飲んでいたのだが、自分のだと思って手に取ったグラスの中に入っていたものが、たまたま誰かが置いた飲みさしのお酒だった。
一口飲んでしまった時点で間違えてお酒飲んじゃった、と気付いたけれど、鶴ちゃんの件で少なからず落ち込んでいた私は、半分やけになりながらそのまま間違えて手に持ったお酒を飲み続けた。
「ちょっと、あんずそれお酒じゃん!」
「うん~…、知ってるよぉ~~~お酒の味したもん」
「うわ、もうほとんど飲んじゃってるし」
ギョッとした面持ちで加州さんが私のグラスの中を覗き込む。「あんずお酒好きじゃなかったじゃん。弱いくせにこんなに飲んでどうしちゃったんだよ」と心配そうに問いかける加州さんに対してへへへ、と締まりのない顔をしながら笑いかける。