第2章 儚く切ない記憶の中で《前編》
「ああ、何があったのかは分からないが疲れているだろうし、これで笑って吹っ飛ばせればいいと…だがちょっと見当違いだったな………悪かった…」
鶴丸さんの言葉がどんどん尻すぼみになっていき、目の前の大きな金の瞳が少し陰り、伏せられた。
驚きで私を元気付けようとしてくれていたんだ…女性にこの驚きはかなり失礼だけど、彼なりに私を気遣ってくれていた。
そうとも知らずに私は──
私のことを思って行動してくれた事を知り、それがキュンと来たと同時にその優しさが弱りきっている心に染み渡る。温かいものが体全部に伝わって、それが簡単にまた違う涙を溢れさせた。
「ぅ……え、鶴丸しゃ……ごめんなさいっ!うあぁぁん……!」
「うお……ッ!?す、すまん!!俺が悪かった!謝る!この通り謝るから、頼む泣き止んでくれっ」
悲しくて泣いたと勘違いしたらしい鶴丸さんが、これ以上ないくらいに焦った様子になっている。
どうにかしようとあたふたしながら私の頭を撫でたり、ティッシュで涙を拭ったりしている鶴丸さんがとても愛しくなり、泣きながら微笑むと鶴丸さんはキョトンとした顔をした。