第2章 儚く切ない記憶の中で《前編》
「……私の手も冷たくなっちゃいました」
「ははっ、俺ときみの温度が混じり合って丁度中間の温度になったってとこか?俺としては嬉しい限りだが、今は熱いお茶でも飲んで温まったほうが早そうだな」
「それなら私が淹れますっ」
「あんずは疲れているだろ?休んでいてくれ」
「でも、「いいからきみは座っていてくれ」」
少し強い口調で手のひらで待ったをかけられて、零れ出そうになった言葉を飲み込み、更に一歩踏み出そうとしていた足も止めた。
悪いな、と思いながらも鶴丸さんの優しさに甘えようと頷き、ぐちゃぐちゃであろう顔をティッシュで拭った。そっと鼻もかんだ後、何気なく執務室の椅子に座ると
ぶうぅううーー
思いがけない音が鳴り体が凍りつく。
「……ッ!」
「!!」
決して気のせいではない。確かにお尻の下から変なおならのような音が鳴った。慌てて立ち上がろうと椅子の肘掛を掴み体を浮き上がらせた途端、焦りすぎたのか足を滑らせてしまい、私のお尻はまたもや椅子に沈むこととなってしまう。
ぷぅ~ブブブブゥ〜ッぶ、ぶっ!
「は…?やっな、にこれ…!」
「あ、……」