第2章 儚く切ない記憶の中で《前編》
出陣と内番、手合わせや食事当番、鶴丸さんだって決して暇ではない筈なのに、こうして決まった時間に来てくれる。
申し訳ないな、と思いつつも彼と一緒の時間を過ごせることが嬉しくて、書類仕事も自然と捗った。
「おっ、これで最後だな!おつかれさん」
「鶴丸さんも…ありがとうございました」
何とか期日内に終わらせ、間違いがないか確認した後に葉月さんにメールで提出した。正直大変だった。今回の仕事だけでも大変なのに、葉月さんはそれに加えて他の仕事もあるというのだからそりゃ疲れてしまうだろう。
どうにかならないものかとこんのすけに相談してみたけど、組織の現状を変えるのは難しいとあっさり切り捨てられた。
そして提出後から何日か過ぎたけど、最初のメール以来、それっきり葉月さんからの連絡は途絶えた。
私が作成した資料は大丈夫だったんだろうか……葉月さんは相変わらず忙しくてこっちに連絡する余裕がないのかな、それとも体を壊して…倒れたりしてない?
心配だな…と執務の合間に考えていたら、血相を変えたこんのすけが突然執務室に現れた。
「あんず様!!政府からの呼び出しでございます!」
「えっ…?」