第2章 儚く切ない記憶の中で《前編》
本丸に帰ったあとに早速メールをチェックすると、受信メールに葉月さんからの資料が届いていた。
添付されている資料をダウンロードして取り掛かろうとしたところで、向かいに座っている鶴丸さんが私に言う。
「あんず、わかっているとは思うが今回手伝ったとしてもその場凌ぎに過ぎない。根本的にあちらさんの解決にはならないぜ」
「はい…わかってます…」
「ならいいんだが…」
鶴丸さんの言う通り解決にはならない。
私が政府に言及したところで一蹴されるのは目に見えている。だからといって何もせずにいるのも嫌だし手伝えることがあるなら手伝ってあげたかった。
例えそれが一時的なことだとしても、私の自己満足に過ぎないのかも知れないけど、私が手伝うことで少しでも彼女が休めるのならそれで良い。とにかく休息の時間を与えてあげたい…
あんなに疲れきった表情を見て放っておける訳がなかった。
「鶴丸さんまで私に付き合うことないのに…」
「俺もお願いした身だからな。付き合わせてくれ」
「すみません…ありがとうございます…」
通常の本丸の日課を終わらせてから、夕餉後から就寝までの完全なプライベートの時間に葉月さんの仕事をこなす。すると毎夜のように鶴丸さんが手伝いに来てくれた。