第2章 儚く切ない記憶の中で《前編》
【#4 否定された友情】
この日もいつものように鶴丸さんと甘味処でわらび餅を堪能した後、万屋で本丸の消耗品を買い足していたら、審神者養成所でお世話になった女性政府職員さんを見掛けた。
はつらつとして元気な印象しかない彼女がとても疲れた様子に見えるのはきっと気のせいではない。
あの頃より痩せていて、明らかに様子がおかしい。痩せた、というよりはやつれている。
彼女とは養成所を卒業して正式な審神者になってからも、メールで相談に乗ってもらったりと色々とお世話になっていた。ここ半年くらいは互いに忙しく連絡を取れず、更に面と向かって会うのは卒業以来だから、顔を見るのも随分と久しぶりだ。
会えたことがとても嬉しくて、でも覇気がない様子に胸騒ぎがする。
何か困り事や悩み事があるなら力になってあげたい、そんな一心で会計を終えてお店を出ていこうとする彼女に駆け寄り声をかけた。
「葉月さん!」
「っ!……あ、…あんずちゃん?」
「はい!葉月さんっお久しぶりです!」
「あんずちゃんだ…っ」
葉月さんの口ぶりに当時と変わっていないことに懐かしさを感じていたら、隣りにいる鶴丸さんが目を丸くした。