第2章 儚く切ない記憶の中で《前編》
「そういうのは休日でいいじゃないですか。政府からもそう教わっています」
審神者就任前の養成所でも頭に叩き込まれた本丸運営についてのマニュアル。それに従い長谷部さんと初期刀の蜂須賀さんと共にこれまで頑張ってきた。
その方針を今更変えるなんてなんだか抵抗がある。
勿論気分転換に外に出たい気持ちも大いにあるが、目の前の長谷部さんが頑張っているのに私だけ行ってきます、なんて言いづらい。
「休日は休日で短刀の相手だったり畑で土まみれになってるかのどっちかじゃないかあんずは。俺はつまらない!」
「でも…皆さんには出来るだけ休んで貰いたいですから、休日は私が率先して畑の手入れをしなければ…といっても結局は長谷部さんに手伝わせてしまっているのですけど…すみません…」
本当は長谷部さんにも休んで貰いたいのが本心だけど、彼は何を言っても聞いてくれずいつも私のお手伝いに徹してくれている。
「主、俺が主の手伝いをするのは当たり前です」
「あんずの休みがないぞ!」
彼への申し訳なさから尻すぼみな言葉になってしまった私を庇うように長谷部さんが口を挟むと、鶴丸さんが言い返す。