第1章 君の中に墜ちる
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目が覚めると、あの日の朝とは違って隣に大倶利伽羅がいてくれた。
あの後、お互い服も着ないまま互いの体温を確かめ合い、求め合いながら眠りについたのを覚えている。
そして先に起きていた彼は私を見て微かに微笑んだ。
その表情が、まるで心まで包み込んでくれるような、温かくて優しいものだったから…胸が締め付けられて涙が滲んだ。
「大倶利伽羅…」
その名前を口にするだけで、ただそれだけで愛しくて堪らなくて。
少し前までは大切な仲間だと思っていた神様は、いつの間にか最愛の人に変わっていた。
「あんず……好きだ…」
初めて紡がれた大倶利伽羅の気持ち。
私の気持ちを受け入れてくれただけでも嬉しかった。大倶利伽羅からの言葉は無くてもいい…彼は寡黙だし、積極的に愛を囁く性分でもない。
そう思っていたのに…大倶利伽羅はちゃんと伝えてくれた。
くすぐったくて…
だけど嬉しくて…
感極まって更に涙がぽろぽろと零れ落ちる。
「私も好きです…」と何回でも伝えたいのに感情が溢れて言葉にならない。鼻を啜りながら泣くだけの私を、大倶利伽羅は優しく腕の中に閉じ込めた。