第1章 君の中に墜ちる
歌仙の言葉に顔を顰めた大倶利伽羅が振り返り、私の顔を伺う。そして少し戸惑いを含んだような声で「嫌なのか」と問いかけてくる。すると大倶利伽羅に向けられていた皆の視線が、今度は一斉に私に集まった。
「あんず、はっきり伝えた方が田舎刀の為にもなる」
強い口調で私を見据える歌仙。
ちゃんと伝えなきゃ、と目の前の歌仙の瞳を見つめ返した。
「歌仙、私ね、驚いただけで嫌なんて思ってない。…私、大倶利伽羅が好き。だから大倶利伽羅の部屋で寝たい。大倶利伽羅と一緒に居たいから…」
私の言葉に歌仙は目を見開き、広間が更にどよめいた。
「あんず…君は自分で何を言っているのか分かっているのか…?君と田舎刀はいつの間にそんな…」
わなわなと体を震わせながら複雑な表情でいる歌仙を前に、大倶利伽羅は私の肩を強引に抱いた。
よろけて彼の胸にドンと頬が当たり、急激に近くなった距離にびっくりする私を気にする様子もなく、大倶利伽羅は文句を言う刀剣達に睨みをきかせながら「恋仲だ」と答える。
その途端、キャーッと叫び、口に手を当てながら歓喜に震える短刀達。中でも五虎退と秋田は抱き合いながら泣いていて、不動はガッツポーズをした後高く飛び上がり叫んだ。