第1章 君の中に墜ちる
「あれ?あんず様、随分早かったですね」
「落ち着かなくて…」
「それは分かりますけど…ちゃんと温まりましたか?」
「うん、なんとか」
「それなら良かったです!さあ、そろそろ夕餉も出来てる頃ですよ」
物吉と共に広間に戻った後は、皆が用意してくれたおにぎりや即席めんを食べた。
歌仙がカップ麺を食べている姿がなんとも不釣り合いで自然と笑みが溢れる。
それに、お料理が苦手な同田貫さんや蜂須賀さんもおにぎりを握ってくれたらしくて、綺麗な形のおにぎりの中にやたらでかいおにぎりと不格好なおにぎりが混じっていた。
本丸襲撃という惨劇があったなんて信じられないくらいに、広間は温かい空気に包まれている。
「あんず様の部屋がある東棟は見るも無惨ですね…」
「そうなの…だからね、こんのすけ。今晩はどこかの部屋で適当に寝ようかと…どの部屋が安全だと思う?」
「あんず様一人では危険ですので、出来ればどなたかの部屋でお休みになって頂きたいのですが」
「え、でも座標も変わったし大丈夫じゃ…?」
「それでも、です!この本丸も色々な所が破壊されていますから安全とは言えません。寝ている間に崩壊なんてことになったらどうするんです?」
「そ、それもそうだけど…」