刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
それにしても大倶利伽羅殿は何処にいかれたのか。もう一度辺りを見回してみると、庭の遠くの方から何か人影が動いた。目を凝らしてよく見ると、弟の虎を胸に抱いた大倶利伽羅殿の姿。
虎が見つかったようだ…
主がお一人だったのはそういう理由でしたか。
大倶利伽羅殿は冷たいようでいてお優しい。
彼はきっと、弱いものや傷ついたものを放っておけない性質なんでしょうな。
本当に…不器用なお方だ…。
おそらく大倶利伽羅殿が向かう方向に五虎退もいるはず…安堵しながら彼が戻るまで主の側に留まることにした。
…
…
本当に気持ち良さそうに、安心しきって寝ておられる。それは…隣に大倶利伽羅殿がいると思われているからなのか。
貴女は何の夢を見ておられる…?
思わず主の髪の毛に手を伸ばした。さらりと指の間をすり抜けていく長い髪の毛。
私が顕現された時は肩につくかつかないかの長さだった…と当時に思いを馳せる。
意識がはっきりしないふわふわとした浮遊感に包まれている中で、自分が呼ばれているような、不思議な感覚がした。
心地が良くて、その霊力に引き寄せられ、気が付いたら貴女が目の前で微笑んでいた。