刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
…
…
「……ォ」
「…?」
「…ナ……」
俺の膝の上ですやすや眠る彼女の頭をゆっくり撫でながら物思いに耽っていると、遠くの方から鳴き声が聞こえた。
耳を澄ますと、やはり微かにだが鳴き声が。五虎退の虎らしきその声は、庭の方から弱々しく聞こえる。
その内五虎退が探しに来るだろうと思っていたが…なかなか来ない。虎の鳴き声はその間にも断続的に聞こえる。この雨の中、どこかで身動き出来ずにいるのだろうか。
心配になるも、膝の上には彼女が気持ち良さそうに寝ている。俺が動いたら目を覚ましてしまう。出来ればもう少し寝かせてやりたい。
そう思い様子を見る。
…
…
「ナーゴ………」
「…」
「グルル…」
「…はあ」
熟睡している彼女をそっと膝から降ろし、上着をかける。そのまま目を覚まさない事に安堵しつつ庭に出た。
鳴き声の正体。
やはり五虎退の虎だった。
比較的大きな木の枝の上で降りられなくなったのか、小さな体を震わせながらしがみついている。
「来い…」
「ピー、ピー…キュゥン」