刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第34章 神気
それにしてもやっと静かになったな…
彼女の髪をさらりと撫で目を瞑った。雨が多いこの季節が終わると暑い夏が来る。その後は秋、そしてこいつが嫌いな冬。
そっと彼女の手を握ると、温かい体温が伝わってくる。冬になるとこの手が氷のように冷たくなっていたな…
『……パシャッ』
「…!?」
『パシャッ』
「………」
『パシャパシャパシャッ!!』
「おい……国永ッ!…何の真似だ」
「驚いたかっ!まさかこんなところから激写されるとは思ってもみなかっただろう!!」
『パシャッ』
「チッ!ふざけるな」
天井から陸奥守のカメラを片手に、得意気にぶら下がっている国永に舌打ちする。本当に神出鬼没な奴だ。
「そのカメラを寄越せ…」
「断る!いい場面が撮れたからな!伽羅坊がまさかの膝枕!これを見たら光坊と貞坊が大層喜ぶぞっ」
「ぶっ殺す…」
…わしのカメラがないぜよ!!さっきまでここにあったがやき、おんしら知りやーせんか?
遠くから聴こえる陸奥守の声。
「やべっ!もうばれたか!じゃあな!伽羅坊っ」
「おいっ」
今すぐ取っ捕まえて国永を凝らしめたいが、こいつを寝かせてやりたい一心でぐっと堪える。静かに過ごしたい時に限ってどうしてこうも邪魔が入るのか…
思わず盛大な溜め息が出た。