第25章 王都の舞踏会
「え~、なんでぇ?」
散々リヴァイに “すっとぼけている” と言っていたハンジが、今度は自分がすっとぼける。
「それは…、あの…」
“デートのことは恥ずかしいから言わないでください” と伝えたいのだが、恥ずかしくてどうしても口にできない。
「ハンジさん!」
顔を赤くして困っているマヤを見かねて、ペトラが助け舟を出した。
「マヤが恥ずかしがってるじゃないですか。それに昨日のことは…」
「え~、ペトラまで? 昨日の風呂ではみんなであんなに、マヤとリヴァイのデートについて盛り上がったじゃないか」
……終わった…。
泣きそうになって赤くなっていたマヤの顔が一気に青くなる。
大浴場でリヴァイ兵長とのデートのことを面白おかしく吹聴していたと思われたに違いない。
……そんなの絶対、嫌だよね…?
リヴァイを怒らせたのじゃないかと思うと、怖くて顔を上げることができない。強力な助っ人であるペトラまで、ハンジの “風呂でみんなで盛り上がった” 発言にかたまってしまっている。
そんな二人の様子をものともせずに、ハンジは楽しそうに言葉を継いだ。
「いやぁ~、昨日はホント楽しかったよね! 風呂なんか死んでも入ってやるかってところからの窓からリヴァイとマヤのツーショット発見! からのマヤを囲んでのデート談義! 不覚にものぼせてしまったけど、次回はそんなことのないようにするから…」
「……次回なんかねぇ」
ハンジのとどまるところを知らないおしゃべりをさえぎるリヴァイの冷やかな声に、マヤの背すじは凍る。
……次回はない…。
そっか…。次回なんかないんだ…。