第25章 王都の舞踏会
「「オルオ!」」
合流したオルオは手に一枚の紙きれを持っている。
「何よ、それ?」
怪訝な声のペトラ。
「これか? 使用許可申請書。明日飛ぼうと思ってよ。待ってたんだけどちっとも帰ってこねぇし、先に出すとこだったんだ」
くるりとマヤの方を向いて、オルオは笑う。
「飛ぶだろ、マヤ?」
「私?」
「当たり前だろ。いつも一緒に飛んでんじゃん!」
屈託のない笑顔でいるオルオに、ペトラが噛みついた。
「ちょっと! マヤの許可もなく勝手に申請書を出そうとしてたの!?」
「そうだけど?」
「うちらはね、ものすごーく疲れてんのよ! 勝手に早朝自主練の予定なんか入れないでよね」
「そうかよ…。マヤ、悪かったな。俺一人で飛ぶわ」
ペトラに怒られたオルオは、しょぼくれた子犬のようだ。
「ちょっと待って、オルオ。疲れてるのは本当だけど、明日飛んでもいいよ」
「えっ、いいのかよ?」
「うん… 最近飛んでなかったし。それに色々あったから、飛んだらすっきりしそうだし」
「よっしゃ! じゃあこれ、兵長に出しとくわ!」
ぴらぴらと立体機動装置の使用許可申請書を顔の横で振りまわす。
「うん。じゃあ明日の朝、いつもの時間ね」
「おぅ! 善は急げだ! 先に行くぜ?」
オルオは幹部棟の階段を二段飛ばしで駆け上がっていった。
取り残されたマヤとペトラは、普通に階段を上りながらオルオの二段飛ばしについて語る。
「オルオのやつ…。子供のころから全然変わってないじゃん」
「ん? どういうこと?」
「今の階段のよ。嬉しいときとか、張り切ってるときとか、ああやってた。馬鹿みたい」
「あはは、そうなんだ。可愛いじゃない」
「はぁ? マヤ、目が腐ってるんじゃないの? オルオのどこが可愛いのよ」
心底嫌そうに、ペトラは鼻に皺を寄せた。