第25章 王都の舞踏会
席に座ってほどなくすると、何も注文していないのに次から次へと皿が出てきた。
兵団の食堂のパンとは大違いの真っ白でやわらかなバターロール。新鮮そうな生野菜のサラダ。見たこともない黄緑色のスープ。そして肉色が鮮やかな厚切りのハムステーキがメインのディッシュ。
「このお肉、美味しいね!」
「うん、なんか上等すぎて緊張しちゃうよ…」
二人は噛むほどに肉汁のあふれるハムステーキをはむはむと頬張って、至極の旨味を享受している。
「パンもサラダもスープも…、何もかも美味しい!」
「ねぇ、ペトラ。このスープ、なんのスープだろ?」
「わかんない。訊いてみたらいいんじゃない?」
言うが早いか挙手をして、すぐさま質問をする。
「すみません。このスープ、なんのスープですか?」
「えんどう豆のポタージュでございます」
男前の給仕が去ったのち、声を落とすペトラ。
「えんどう豆だって… というか、入ってきたときも思ったけど、あの人かっこいいね!」
「え? ……あっ、ごめん、見てなかった」
「やだな~もう、マヤは兵長しか興味ないか」
「………」
“そんなことない!” と言えば嘘になるし、かといって “そうよ、兵長しか目に入らない” なんて恥ずかしくて口には出せずマヤは黙った。
「そりゃ兵長とデートするんだもん、他のイケメンに興味ないのは当たり前だよね~」
にやにやしながら、からかってくるペトラの攻撃をかわすために。
「ペトラだって」
マヤは反撃に出る。
「グロブナー伯爵のご子息とは、いつ知り合ったの?」